ロックダウンシティからの脱出
この記事はmohikanz advent calendar2021の18日目です。
前日...ないので前の記事は15日目のlivaさんに記事ですね。
定期的に本読んでるのはえらい。
さて、今回の記事ですがネタ枠です。
知ってる人もそこそこいるとは思うんですけど、2019年の5月からベトナムに赴任してました。
去年の2月の旧正月前からちょうどコロナが話題になった時期が最後に日本に帰れたタイミングですね。
まぁタイトルに書いてある通り脱出はしているので今は日本でぬくぬくとこの記事を書いています。
7月下旬
定時後にいきなり全社員に通知がきます。
「政府通達で明日から出勤できなくなるから全員リモートな」
いつもの流れですね。ベトナムは政府の力がとても強いのでこういう強行策はしょっちゅうです。
すでに何度か経験しているのでみんな慣れた手つきでリモートの準備を始めます。
僕も「また1ヶ月くらい外食できないなー」ぐらいにしか考えてませんでした。
8月上旬
雲行きが怪しくなる。
アパートの管理会社から
「明日から買い物を行くときは許可証を携帯してね」
との連絡がくる。
下の方に書いてある日付が買い物可能な日。
そうなんです、いつでも買い物が行ける訳ではないんです。
便宜的にロックダウンと一括りで言ってますが、ベトナム政府が公布する措置には何段階かあって徐々に厳しくなっていきます。
- レストランやスポーツ施設の店内利用禁止
- タクシー、デリバリーの禁止 & 屋外の運動に時間の制限がつく
- 生活必需品の買い出しに許可証が必要になる
- 外出可能区域の制限
- 完全外出禁止
おおまかに分けるとこんな感じですね。
この時点では3段階目で、まだ過去にも経験あったのでまたか程度のノリです。
7月末に行きつけのレストランで冷凍食品を作っておいてもらったのはかなりのファインプレーでした。
8月中旬
新たな政府通達が出る。
「4日後から1週間程度ダナン全域で完全外出禁止にするから食糧を確保しておくように」
お、このパターンは新しいなとなりましたがなかなかにやばい状況だったので仕事をさぼって買い出しに行きました。徒歩で。
近所のコンビニはダメでしたね、完全に生鮮食品は売り切れです。
数キロ歩いて大型のスーパーに行ったけど、そこも入場制限がかかっている上に棚はスカスカで愉快な状況でした。
ろくに外出できない状況になると嗜好品というものがいかに重要かわかるんですが、今回は酒買ってる余裕もないので食糧だけで数kg買い込んでよしとしました。
普段はバイクがバンバン走ってるんだけど、公安以外まったく人の往来がなくてビビりましたねこれは。
写真撮らなかったけど、交差点にAKもったおっさんが門番みたいにいるんですよ。
8月下旬〜9月上旬
そろそろ買い出しできるかな?と思っている矢先
「アパートで陽性者が出たから2週間アパート全体隔離な」
という通達が出る。
こいつはヤベーぞ、食糧が尽きるかもしれんと思い始める。
しかしそこはアパートの管理会社も想定内。なんと配給をしてくれるとのこと。
そして来たる配給、鳴る呼び鈴、玄関を開けるとそこには...
「キャベツ1個じゃねーか!?それも袋にすら入れずに直置きで!!」
いやマジでびっくりしましたね。
独り身の世帯も4人家族も等しくキャベツ1個ですよ?
烈海王の「そうきたかァ~~~ッッッ」みたいな顔になってもしょうがない。
後日改めて管理会社から購入制の配給やるからメニューから選んでねと案内がきました。
えーと...サツマイモの葉っぱとかツルムラサキはどう調理したらいいんでしょうか。
まぁ葉物野菜なんて味覇で炒めればなんでも食えるよね。
9月中旬
一向に隔離が解除されないままコーヒーが切れ割と絶望する。
ウォーターサーバーのボトルはとっくに空になっているので水道水を煮沸して飲用にあてる。
マジで風呂付きの部屋にしておいて良かったとこの時点で心底思う。
このあたりから不眠症気味になり1日の睡眠時間が4時間程度になる。
そんなやばい状況なのでとうとう上司が「隔離が明けたら帰国しよう」という話が上がりなんとかメンタルの持ち直しに成功。
その時の状況がこれ
川の右側の黄色に孤立してるブロックが家のあるところ
— waku (@waku_tkd) 2021年9月12日
この封鎖が解除されれば帰国できるはず pic.twitter.com/gcuDTLDs8o
そうなんです、まだ本題の脱出までいってないんです。
9月下旬
ようやくアパートの隔離が解除されるということで早速帰国の手配にとりかかる。
なんとダナンの空港は閉鎖されているのでハノイまで800kmほどを陸路で移動とのこと。頭いかれてんのか。
ということで会社にハノイまでのドライバーを手配してもらう。
あと県を超えるための書類を政府に発行してもらう必要があるとのことなのでそれも手配してもらうことに。
急いで発行してもらったからたぶんコネと袖の下フル動員だったんだろうな。
と、いうことで9月22日発、24日日本着の旅程が組まれる。
出発当日
朝一で陰性証明証を発行してもらうためにPCR検査を受けに行く。
隔離中は週一のペースで辻PCR検査を受けさせられていたので慣れたもの。
17時頃に改めてドライバーが迎えにくる。
自分と社長とドライバーだけなのでバスなのではなく普通の乗用車。
噂には聞いていたけどこれに15時間以上乗ってんのか...とげんなり。
陸路移動中の様子はTwitter見てもらうのがよいかと。
エクストリーム帰国開始
— waku (@waku_tkd) 2021年9月22日
空港着いたときは出発からおおよそ20時間経っていましたとさ。
到着時空港はほぼ人がおらず、チェックインカウンターも開いていない状態でした。
空港wifiは制限時間があるからどうしたものかなーと思案していたところ、なんと昔出張で使った店のwifiが繋がるではないですか。
店自体は閉まっているけどwifiは使えるなんて...悪いなと思いつつwifiを使わせてもらうことに。
5, 6時間ほど待たされようやくチェックインできる頃には手持ちの電子機器のほとんどがバッテリー切れ状態。
なお、今回はANA便を使いました。
CAさんが「お飲み物なににされますか?」と聞いてくれたので「ビールは何がありますか?」と聞いたところ
「スーパードライ、一番搾り、プレミアムモルツ、黒ラベルがあります」とのこと。
最高か?ベトナムでうっっっっすいビールを飲み続け日本のビールに飢えていたとこでこの気遣いは最高か?ってなりました。
調子乗っておかわりもらってしまいましたよ。
あとは何事もなく無事に日本ついたんですが、最後に罠が。
実家が改装工事されたので鍵が変わってて入れねぇ!!